創生/神のキャンバス F100キャンバス、アクリル絵具
キャンバスに描きかけの絵を、布にくるんでおいたら、 あるとき魔法がかかって、描きかけの生物(ふくろうと蛇)が実体として キャンバスから飛び出した。というイメージ。 (立体的に見えるトリックアートの作品)
タルコフスキー監督の「ソラリス」というSF映画がある (原作はスタニスワフ・レムの小説「ソラリス」)
「ソラリスの海」と呼ばれる或る宇宙の空間で停泊している宇宙船の中で、 人間の潜在意識にあるものが、実体として現われるという話。
宇宙船のスタッフの潜在意識の中にあった、既に死亡した人間が 実体となって現れるが、再現された人間は、自分自身がだれなのか、どんな経験をしてきたのかなどといった、 死ぬ前の記憶はもっていない。 しかし新たな体験や他者との関わりの中で、オリジナルな人格は育んでいける。
つまり「ソラリスの海」が再現したものは、肉体や脳などの構造と機能で、 記憶や意識や精神などは再現されていなかった。
「ソラリスの海」自体が意識を持った巨大な生命体で、人間の潜在意識に働きかけ新たな生命体を作り出していて、 物質である肉体はニュートリノという素粒子で構成されているが、 記憶や意識に関しては、脳の機能に書き込まれたデータや現象のようにしか語られていない。
精神や意識っていったい何なのだろうか 原生生物のように生命を維持するだけなら特に必要はないだろうが、 しかし人間として在るにはかかせない。
いまいるこの世界自体、だれかの脳の中の現象だという説もある。 もしかして今ある自分自身の存在も、実は誰かの、 または人間以外の何かの意識の中のものかもしれない。
もしかしたらそれが「神」なのかもしれない。
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